こんにちは!元オーラルケア製品開発者のしーか先生です!!
❑ 「歯が白くなる」って書いてあるのに白くならない…
❑ 歯磨きは長く磨くほうが良い。
❑ 電動歯ブラシは低研磨の歯磨き粉を選んだほうが良い。
といった話を聞いたり、思ってる人はいませんか??
上記の内容を始め、良く勘違いをしてるなと思うことがあります。
この記事では、そんな歯磨きのよくある勘違いを6個ピックアップし、解説していきます!
液体歯磨きと洗口液の違い
1つ目が、「液体歯磨きと洗口液の違い」です。
次の2つの写真を見て、どちらが液体歯磨きで、どちらが洗口液か分かりますか??
答えは左が液体歯磨きで、右が洗口液となります。
これはパッケージをよく見ないと分からないのです。
ではこの2つの違いは、次の通りです。
洗口液
❑ 使用方法を「適量を口に含み、〇〇秒すすいでから吐き出してください。」と記載。
❑ 配合できる有効成分が塩化セチルピリジニウムとグリチルリチン酸ジカリウムで、あとは各社が前例を取得した成分となります。
液体歯磨き
❑ 使用方法を「適量を口に含み、すすいでから吐き出して、歯及び歯茎をブラッシングしてください。」と記載。
❑ 配合できる有効成分は、ペースト状の一般的な歯磨き粉とほぼ同じため、記載できる効能・効果が多い。
❑ ブラッシングをしやすいようにとろみがついてる製品が洗口液より多い。
そのため、企業側としては記載できる効能・効果の多い液体歯磨きのほうが、消費者の購買意欲を刺激しやすいと言えます。
消費者視点からしますと洗口液・液体歯磨きは、目的に合わせた買い方をするのがベストだと思います。
例えば、歯磨き粉の代わりに液体製品を使用したいのであれば、汚れ落とし成分の入っている液体歯磨き。
歯磨き粉と併用してケアを行いたい場合、洗口液・液体歯磨き関係なく、自分の悩み(口臭など)を解決してくれるような製品を選びましょう!
歯が白くならない
2つ目が、「歯が白くならない」です。
これは口コミなどでよく見る内容ですね!
確かに効果がない歯磨き粉もありますが、ある成分が一定量以上含まれた歯磨き粉は、「歯の本来の白さ」に必ず戻ります。
この「歯の本来の白さ」とは何か?
それは「その人が持って生まれた歯の白さ」を指します。
そのため歯の白さというのは、かなりの個人差があります。
日本で発売している歯磨き粉では、どんなに美白ケアに特化した歯磨き粉でも、この「歯の本来の白さ」より白くなることはないのです。
そのため、レビューなどに書かれている「白くならない」というのは、あまり信用できないと言えます。
その人が元々の歯の色になっていると、それ以上は白くならないからです!
また、美白ケアの歯磨き粉の使用頻度が少なかったり、コーヒーやタバコを好むなどの生活習慣も大きく関わってきます。
歯磨き粉の美白ケア
歯磨き粉のホワイトニングにつきましては、日本の歯磨き粉では「歯の本来の白さ」まで白くすることができます。
そのためには、歯磨き粉に次の成分が入っていることが望ましいです。
❑ ポリリン酸ナトリウム
❑ メタリン酸ナトリウム
❑ ピロリン酸ナトリウム
このリン酸系の成分は、汚れを浮かせて落とすうえに、歯の表面をコーティングして、汚れをつきにくくします。
ただ、配合量が0.5%以上ないとあまり効果が期待できないため、次の歯磨き粉をおすすめします。
成分表示から0.5%以上配合されているのが読み取れる歯磨き粉となります。
また、美白ケアにおきましては、しっかりと汚れを落とせる成分を配合していたほうが効果があります。
炭酸水素ナトリウムは特に汚れ落とし効果が高いため、おすすめです。
ここまで「日本の歯磨き粉」と申しましたが、海外の歯磨き粉は話が変わってきます。
その理由は、過酸化水素を配合できるからです。
この過酸化水素は、歯医者のホワイトニングにも使われるような成分で、「歯の本来の白さ」より白くすることができます。
それは、過酸化水素が体内でカタラーゼという酵素に分解され、不安定な構造となります。
その不安定な構造が着色物質を分解することで、歯が白くなります。
ただ、虫歯の影響による黒ずんだ感じは取れませんので治療をしましょう!
そのため、歯磨き粉で歯医者のホワイトニングのような白さを目指すのであれば、過酸化水素を配合した海外の歯磨き粉を使うほかありません。
長く磨いたほうが良い
3つ目が、「長く磨いたほうが良い」です。
これは場合にもよりますが、長ければ長いほうが良いという訳ではありません。
しっかりと磨くことが大事なのです。
研究データなどでは、歯磨き粉を用いた場合、しっかりとブラッシングをしていれば3分ほどでほとんどの汚れを落とせると言われています。
電動歯ブラシなどを用いますと、より短い時間で汚れを落とすことができます。
過度なブラッシングは、歯や歯ぐきを傷つけてしまう可能性もありますので気をつけましょう!
ベストな磨き方は、次の通りです。
❑ しっかりと鏡をみて磨く。
❑ 1つの歯に対して10〜20秒かけて磨く。
❑ 歯と歯ぐきの間は45度で歯ブラシをあて、ブラッシングする。
❑ 歯と歯の間は、歯間ブラシなど用いる。
❑ 力は入れすぎない。
よくTVやスマホを観ながらブラッシングする人も多いですが、これではしっかりと磨けません。
また、1つの歯に対しても磨く時間が短い人が多いです。
電動歯ブラシであれば10秒かけずに汚れをしっかりと落とすこともできる可能性があります。
長い時間磨きたくないと思うのであれば、電動歯ブラシを使ってみるのも手です!
電動歯ブラシには低研磨の歯磨き粉
4つ目が、「電動歯ブラシには低研磨の歯磨き粉」です。
そもそも歯磨き粉に記載されている無研磨・低研磨という言葉は、「研磨剤を配合していない」もしくは「研磨剤の配合量が少ない」という意味です。
つまりは、研磨力のある原料を配合していても、配合目的を研磨剤としなければ「無研磨」「低研磨」と言えてしまいます。
下の写真のように、同じ成分でも配合目的は違うことは良くあります。
このように、やり方次第では研磨力のある成分が入っていても「無研磨」や「低研磨」をコンセプトとしている歯磨き粉はいくつもあります。
(「無研磨」「低研磨」と記載していて、研磨力の高い歯磨き粉はなかなかないと思いますが…)
ただ、製剤の状態から研磨力が低いか見分けることはできます。
製剤が透明もしくは半透明のジェル状であれば、粉成分が少ないか溶けているため、研磨力は低いと考えられます。
ここで、本題の「電動歯ブラシには低研磨の歯磨き粉」がなぜ良いとは言えないのか。
それはジェル状の歯磨き粉の場合、ブラシが歯の上で滑ってしまい、汚れを落としにくくなる場合があるためです。
製剤研究をしていたとき、粘性の高いジェルは汚れ落とし効果が低いケースがほとんどでした。
美白ケアの歯磨き粉は、研磨力が高い場合がありますが、その他の歯磨き粉ではそこまで研磨力が高くないため、ジェルにこだわる必要はあまりないと思います。
歯ぐきが腫れて痛いかたや歯を磨くたび血が出るようなかたは検討しても良いと思います。
歯磨き後しっかりと口をすすいだほうが良い
5つ目が、「歯磨き後しっかりと口をすすいだほうが良い」です。
歯磨き粉が残っている感じが嫌で、何度もお口をすすいでしまうかたがいます。
歯磨き粉に含まれるフッ素や殺菌成分などは、お口をすすぐ回数が増えるほど流れ出てしまいます。
そうしますと歯磨き粉の効果もうすまってしまうので、お口をすすぐのは1回がおすすめです。
低発泡のほうが良い
6つ目が、「低発泡のほうが良い」です。
これは誰もがそうという訳ではなく、泡のせいで磨く時間が短くなってしまうかたは、低発泡の歯磨き粉を選んだほうが良いと言えます。
発泡剤は次のようなメリット、デメリットがあります。
❑ 成分がすみずみまで行き渡る。
❑ 磨き心地が良い。
❑ 種類によって殺菌効果がある。
❑ 製剤の安定性が良くなる。
❑ 量が多いと刺激があることもある。
❑ お口が泡でいっぱいになることがある。
ラウリル硫酸ナトリウムなどは刺激性もあり、量が多い歯磨き粉ではヒリヒリしたりすることもあります。
(なかなかそこまで配合量が多い歯磨き粉はないですが…)
また、お口いっぱい泡だらけになる歯磨き粉もありますが、そこで歯磨きを止めず、吐き出してからしっかりと磨き終わるまで磨くと良いでしょう。
たまに、途中で製剤を吐き出すと効果がうすまるという話もありますが、そこまで大きな影響はありません。
むしろお口をゆすぐ回数が多いほうが、効果がうすまってしまいます。
泡だってしまう歯磨き粉でも、吐き出してしっかりと最後まで歯を磨けば特に問題はありません。
まとめ
いかがでしたか?
❑ 液体歯磨きと洗口液の違い
❑ 歯が白くならない
❑ 長く磨いたほうが良い
❑ 電動歯ブラシには低研磨の歯磨き粉
❑ 歯磨き後しっかりと口をすすいだほうが良い
❑ 低発泡のほうが良い
知らないと間違った選択をしてしまいますので、正しい知識でお口のケアをしていきましょう!
むし歯や歯周病のリスクも上がりますので、気を付けて下さい!