デントヘルス 人気商品を元オーラルケア製品開発者が解析!

こんにちは!元オーラルケア製品開発者のしーか先生です!!

みなさんデントヘルスという歯磨き粉を知っていますか?

ライオン株式会社が歯槽膿漏のために開発した製品です。

その中でも人気のある「デントヘルス薬用ハミガキSP」を解析していきます。

この記事を読めば、デントヘルス薬用ハミガキSPがどのような製品で、どのような特徴があるのか分かります。

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デントヘルス薬用ハミガキSPとは

デントヘルス薬用ハミガキSPは、ライオン株式会社が歯槽膿漏のために開発した「デントヘルスシリーズ」の歯磨き粉です。

歯槽膿漏とは、歯周病が最も進行した状態で、ひどい口臭が発生したり、歯がグラグラします。

デントヘルスシリーズのラインナップは、次のようなものがあります。

❑ デントヘルス 薬用ハミガキSP

❑ デントヘルス 薬用ハミガキしみるブロック

❑ デントヘルス 薬用ハミガキ口臭ブロック

❑ デントヘルス 薬用ハミガキ無研磨ゲル

❑ デントヘルス 薬用デンタルリンス

❑ デントヘルスR 塗る歯槽膿漏薬

❑ デントヘルスB ブラッシング歯槽膿漏薬

この他にも、歯ブラシや入れ歯クリーンキットもあります。

この歯磨き粉のパッケージには、「歯の土台を守る」という記載があります。

こういった文言を書くのは意外と難しく、根拠となるデータを取るのがとても大変です。

そのため、歯の土台を守る効果があるというのが確かなものだと思えますね。

そんなデントヘルスシリーズのメインの歯磨き粉が、デントヘルス薬用ハミガキSPとなります。

デントヘルス薬用ハミガキSPの成分解説

それではそれぞれの成分を見ていきましょう!

湿潤剤

ソルビット液:化粧品でよく使われているソルビトール。若干粘性のある液体で、甘みがあります。水と違って揮発しにくいため、歯磨き粉の潤いを保ちます。

PG:プロピレングリコールの略称で、化粧品にも良く使われる成分です。粘性のある液体で、水より水分が蒸散しにくく、歯磨き粉の潤いを保ちます。ただ、糸引きや苦味が出る可能性もあります。

清掃剤

無水ケイ酸A:こちらはライオンが特別な成分名で承認を得ている、汚れ落とし効果の高いシリカとなります。実際の汚れ落とし効果につきましては、比較したデータが少ないため分かりません…

薬用成分

塩化ナトリウム:いわゆる塩です。この歯磨き粉の特徴的な味の1つで、有効成分の場合、5%以上配合されていることになります。歯茎の血行を促進する効果が期待できます。

モノフルオロリン酸ナトリウム:フッ化ナトリウムと異なるフッ素で、フッ化ナトリウムより深いところまで作用するとも言われています。デントヘルス薬用ハミガキSPには、1450ppmと高濃度配合されています。

ラウロイルサルコシンナトリウム:アニオン性の界面活性剤で、泡立ちがあります。アニオン性の界面活性剤は殺菌効果があり、歯周病や口臭の予防ができます。

イソプロピルメチルフェノール:殺菌効果のある成分で、細菌・酵母・カビといった広範囲に殺菌効果があります。

酢酸トコフェロール:いわゆるビタミンEの誘導体です。歯茎の血行を促進し、歯茎を健康に保つ成分です。

トラネキサム酸:パッケージに「歯茎の出血を防ぐ」と記載できる唯一の成分です。ただ、構造が似ているε-アミノカプロン酸も同じような効果が期待できます。化粧品にも使われる成分ですね。

オウバクエキス:この歯磨き粉の特徴成分とも言えます。ライオン株式会社が独自に取得した薬用成分で、歯を支える強さを維持し、歯茎を引きしめます。薬用成分の前例取得は、かなりの労力と時間、お金がかかります。

発泡剤

ラウリル硫酸ナトリウム:アニオン性界面活性剤で、泡立ちが良い成分です。ただし、刺激性があるため、刺激を感じるようであれば避けましょう。

ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油:歯磨き粉で可溶化(油と水をなじませる)するために、よく配合される成分です。可溶化の性能がよく、油の分離を抑えてくれます。泡立ち効果はあまりないのですが…

ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液:両性界面活性剤で、歯磨き粉の泡立たせる成分です。両性界面活性剤は泡立ちが良く、細かい泡となりますが、苦味があります。

粘度調整剤

無水ケイ酸:先ほどの無水ケイ酸Aと異なり、保水力の高いシリカで、水分を保持することにより、歯磨き粉を固める事ができます。

キサンタンガム:とうもろこしや大豆を栄養分とし、発酵の過程でできた粘度を上げる原料です。食品添加物としても使用ができる成分です。

粘結剤

アルギン酸ナトリウム:海藻に含まれる多糖類の一種で、増粘効果があります。少量で粘度が出ますが、他イオンの影響も受けます。

カラギーナン:海藻由来の粘度を出す成分です。力を加えますと伸びやすく、放置すると粘性が回復する特徴があります。

香味剤

香料:歯磨き粉では、1%まで配合できる香りづけする成分です。様々な香りがあり、デントヘルス薬用ハミガキSPではメディカルハーブミントが使われてます。

サッカリンナトリウム:合成甘味料で、ごく少量で甘みを出す事が出来ます。昔は発がん性を疑われてましたが、完全に否定されています。

矯味剤

ミョウバン:アルミニウムと鉄が硫酸と結合してできた物質です。独特の苦味がありますが、収斂(引きしめ)作用や殺菌作用があります。

pH調整剤

水酸化ナトリウム液:pH12~14くらいの強アルカリ性の原料です。製剤のpHを上げる役割があります。

浸透剤

PEG4000:有効成分としても配合できる成分で、タバコのやに除去を訴求できます。数字が大きいほど、平均分子量も大きくなり、液体から固体になります。

安定剤

酸化チタン:原料自体が白色で、少量入れただけでも、歯磨き粉を白くします。そのため、色の変色を抑えることから、安定剤と言われています。

清涼剤

メントール:冷涼感のある成分で、1%まで配合できます。量が増えるほど辛くなります。

緩衝剤

クエン酸ナトリウム:製剤のpHを調整するための原料で、クエン酸ナトリウム自体はpH8付近と、中性〜弱アルカリ性になります。

保存剤

パラベン:パラオキシ安息香酸エステルの略称で、パラオキシ安息香酸メチルやエチルなどをまとめて言います。歯磨き粉は、2次汚染と言って歯ブラシにつける時、菌が移って増える可能性があります。このパラベンは、その2次汚染を抑えてくれます。少量で菌の増殖を抑えてくれるため、開発者としては入れたい成分となります。

デントヘルス薬用ハミガキSPの特徴

デントヘルス薬用ハミガキSPの特徴は、薬用成分が歯茎に対する効果があるものが多いことです。

塩化ナトリウムや酢酸トコフェロールは、歯茎の血行を促進。

ラウロイルサルコシンナトリウムやイソプロピルメチルフェノールは、歯周病菌などの殺菌。

トラネキサム酸は、歯茎の出血を防ぎます。

そして1番の特徴が、オウバクエキスであり、歯を支える強さを維持し、歯茎を引きしめます。

そのため、歯茎の出血や歯茎下がりが気になるかたにおすすめの製品となります。

歯を磨くたび出血するかたや歯がグラつく感じがするかたは、使ってみて下さい!