こんにちは!元オーラルケア製品開発者のしーか先生です!!
昔から人気のあるガム・デンタルペースト。
恐らく手頃な価格で入手できることや長年の販売実績があり、信頼のできるブランドということで、購入されるかたが多いと思います。
そんな歴史と人気のあるガム・デンタルペーストについて、詳しく解析していきます。
ガム・デンタルペーストとは
ガム・デンタルペーストは、サンスター株式会社が1989年に「G・U・M」という名前で発売されました。
歯茎のために開発された製品で、歯周病の原因が菌にあると分かってから、菌に対するアプローチをしてきました。
そんな歯茎のために開発されたガム・デンタルペーストですが、今ではかなりのラインナップがあります。
❑ ガム・デンタルペースト
❑ ガム・デンタルペースト ソルティミント
❑ ガム・プロケア ハイパーセンシティブペースト
❑ ガム・プロケア ハイパーセンシティブペースト 集中ケアタイプ
❑ ガム歯周プロケア ペースト
❑ ガム歯周プロケア ペースト うるおいタイプ
❑ ガム・プラス デンタルペースト
大人向けの歯磨き粉だけでこれだけのラインナップがあり、他にもデンタルリンスや子供シリーズなどがあります。
歯ブラシなどの製品もあり、目にするかたは多いのではないでしょうか?
ガム・デンタルペーストの成分解説
それではガム・デンタルペーストの各成分を見ていきましょう!
ソルビット液:化粧品でよく使われているソルビトール。若干粘性のある液体で、甘みがあります。水と違って揮発しにくいため、歯磨き粉の潤いを保ちます。
濃グリセリン:化粧品でよく使われているグリセリン。若干粘性のある液体で、甘みがあります。水と違って揮発しにくいため、歯磨き粉の潤いを保ちます。
PG:プロピレングリコールの略称で、化粧品にも良く使われる成分です。粘性のある液体で、水より水分が蒸散しにくく、歯磨き粉の潤いを保ちます。ただ、糸引きや苦味が出る可能性もあります。
結晶セルロース:パルプを原料として得られる水に溶けない粉体です。歯磨き粉では、若干の増粘性や汚れ落とし効果が見込めます。
ヒドロキシエチルセルロース:ヒドロキシエチルセルロースはノニオン性の粘結剤で、他成分の影響を受けにくい粘結剤となります。そのため他の粘結剤と比較して、塩に強かったり、温度の影響を受けづらかったりします。
プロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロリド結合無水ケイ酸:こちらはシリカと呼ばれる無水ケイ酸に他成分を結合させて、清掃効果を高めたものです。
アルキルグルコシド:ノニオン性の界面活性剤で、汚れを包み込んで浮かす効果があります。発泡剤として配合している歯磨き粉は少ないです。
香料:歯磨き粉では、1%まで配合できる香りづけする成分です。様々な香りがあり、ガム・デンタルペーストではハーブミントなどが使われてます。
サッカリンナトリウム:合成甘味料で、ごく少量で甘みを出す事が出来ます。昔は発がん性を疑われてましたが、完全に否定されています。
酸化チタン:原料自体が白色で、少量入れただけでも、歯磨き粉を白くします。そのため、色の変色を抑えることから、安定剤と言われています。
フッ化ナトリウム:数ある成分の中でも、虫歯に対する予防効果がかなり高い成分です。ガム・デンタルペーストでは、900ppm前後と高濃度フッ素ではありません。
塩化セチルピリジニウム:カチオン系(プラスの電荷を帯びたもの)の界面活性剤で、菌の表面構造を壊すことで殺菌します。そこから、歯周病、口臭の予防に効果があります。
グリチルリチン酸ジカリウム:甘草由来の成分で甘みがあります。肥満細胞の遊離を防ぐことで、炎症を防ぎます。そこから、歯周病の予防効果が期待できます。
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液:両性界面活性剤で、歯磨き粉の泡立たせる成分です。両性界面活性剤は泡立ちが良く、細かい泡となりますが、苦味があります。
ガム・デンタルペーストの特徴
ガム・デンタルペーストの特徴は、薬用成分の塩化セチルピリジニウム(CPC)を最大限に生かした処方となります。
このCPCは、菌の表面構造を破壊することによる殺菌効果があると言いました。
その性能において、歯を磨いているときに殺菌、さらに歯面に長くとどまり、菌の増殖を抑えます。
また、発売から一貫して、同じハーブミントを使い続けております。
このハーブ系の香りは好き嫌いが分かれやすい香料ですが、好きな人はハマり続ける香りでもあります。
だからヘビーユーザーのかたが多いんですね!
フッ素が900ppm前後という点が少し残念ですが、同シリーズのプロケアなどは1450ppm配合されていますので、歯周病対策の歯磨き粉で低価格のものをお探しのかたにおすすめです。