意外と知らない歯磨き粉のpH!気を付けないと歯が溶ける??

こんにちは!元オーラルケア製品開発者のしーか先生です!!

みなさん歯磨き粉のpHってどれくらいか知っていますか?

お口の中のpHは、中性に保つ方が良いと言われいます!

この記事を読めば、お口のpHを中性に保つことの重要性や歯磨き粉のpHがどれくらいか判断できるようになります。

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pHとは

pHとは水素イオン指数の記号で、溶液の酸性、アルカリ性の程度を示すものです。

大体0〜14の範囲にあり、中央値である7を中性として、それより低い場合を酸性、高い場合をアルカリ性としています。

酸性の場合、数値が低い程強い酸(強酸)と呼ばれ、アルカリ性の場合は、数値が高い程強いアルカリ(強アルカリ)と呼ばれます。

コーラはなんとpHが2.2と、かなり強い酸となります。

そのため、コーラを飲む頻度が高いと、酸蝕といって歯のカルシウムが溶けていき、知覚過敏や虫歯に繋がっていきます。

なかなか恐ろしいですよね…

この酸蝕が進んで傷んだ歯の状態を酸蝕症と言います。

なんとこの酸蝕症は日本人の4人に1人はなっています。

食の欧米化により、pHが低いものを摂取することが増えたからです。

知覚過敏になってしまいますと修復することは困難なため、避けたいですよね!

口腔内のpH

それでは口腔内のpHについても見ていきましょう!

口腔内のpHは通常、6.8〜7.0の中性となります。

これは唾液に含まれる成分のpH緩衝作用によるものとなります。

口腔内のpHが下がりますと虫歯のリスクが上がり、5.5以下になりますと歯の表面(エナメル質)が溶けていきます。

飲食をしますと、口腔内のpHは少なからず下がり、通常20〜30分で中性に戻ります。

そのため、食後すぐの歯磨きは避けた方が良いと言われてます。

歯磨き粉のpH

それでは歯磨き粉のpHってどうなっているのでしょう?

pHはpHメーターで測定することが出来ます。

歯磨き粉は液状ではないため、水などで希釈して測定をします。

歯磨きメーカーはpHが5.5以下だと歯の表面が溶けることを知っているため、5.5〜10の間で製品開発をすることが多いです。

それでもpH5.5より低い歯磨き粉も存在するんですけどね…

そんな歯磨き粉のpHの見極め方は、成分から読み取るか、味からも判断することが出来ます。

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成分から読み取る方法

アラントイン:pHが低い方が安定のため、この成分が有効成分として配合している歯磨き粉はpHが低い可能性が高いです。

クエン酸:原料自体のpHは2.3ですが、多量入れることはありません。クエン酸ナトリウムなどの中性〜アルカリ性の原料とセットの場合が多く、製剤のpHは6付近の可能性が高いです。

炭酸水素ナトリウム(重曹):この原料はpH8〜9であり、配合量が多い製剤が多いです。そのため、製剤のpHも8付近の可能性が高いです。

リン酸水素ニナトリウム:この原料はリン酸ニ水素ナトリウムと一緒に配合し、緩衝させることが多い原料となります。そのため、pH6〜8の間に収まるっている可能性が高いです。

水酸化ナトリウム:原料のpHは10を超えております。ただ、歯磨き粉はpHが10を超えないように、他成分で調整してます。そのため、水酸化ナトリウムが配合されている場合は、製剤のpHは9付近の可能性が高いです。

他の成分の影響もありますので一概には言えませんが、上記のような傾向はあります。

上記の原料が入っていない場合、歯磨き粉の大半を占める原料のpHは6〜7が多いため、製剤のpHもおおよそ6〜7となります。

また、pHが6より低いと酸味(すっぱさ)を感じます。香料がシトラス系などでなく酸味を感じる場合は、pHが低い可能性があります。

どうでしたか?

口腔内のpHを中性に保つことの大切さを理解して頂けましたでしょうか?

定期的な間食やコーラなどのpHが低い飲食は、歯を溶かしてしまいます。

少しでも意識してみましょう!