こんにちは!元オーラルケア製品開発者のしーか先生です!!
今日は歯磨き剤や洗口液などのオーラルケア製品の表示がどうなっているのか書いていきます。
化粧水なども同様ですが、製品には表示すべき事項はそれぞれ決まっており、成分表示の方法も決まっております。
そのため、表示の方法を知ることで、どの成分がどのくらい入っているのか。
大まかに分かってきます。大まかに。(笑
歯磨き剤は「化粧品」と「医薬部外品」に分類され、どちらに分類されるかによっても表示方法は変わってきます。
それぞれ見ていきましょう!
医薬部外品の表示事項について
歯磨き剤はチューブのまま売られているものと、ケース(個箱)に入れられた状態で売られているものがあります(下の写真)。
ケースとチューブに表示する事項は表示できる範囲が異なるため、内容が異なります。
ケースの表示事項
① 販売名
② 内容量
③ 製造販売元(名称・住所)
④ 医薬部外品である旨の表示
⑤ 製造番号(ロット)
⑥ 「歯みがき」である旨の表示(「歯みがき」、「歯磨き」など)
⑦ 全成分表示
⑧ リサイクル表示(♳など)
⑨ 原産国表示( Made in Japan )
⑩ 発売元
⑪ 注意事項(発疹などの異常が現れたときは使用を中止し、医師に相談して下さい。など)
⑫ 効能・効果(歯周炎の予防。など)
⑬ 使用方法(適当量を歯ブラシにとり、歯及び歯茎をブラッシングする。など)
①~⑤は法で定められた表示で、⑥~⑬は規則によって定められた表示事項となります。
上記のほか、文字の大きさや、フッ素を1000ppm以上配合している場合の特殊対応もありますが、割愛します。
チューブなどの直接容器への表示事項
① 販売名
② 内容量
③ 製造販売元(名称・住所)
④ 医薬部外品である旨の表示
⑤ 製造番号(ロット)
⑥ 「歯みがき」である旨の表示(「歯みがき」、「歯磨き」など)
⑦ リサイクル表示(♳など)
⑧ 発売元
⑨ 注意事項(発疹などの異常が現れたときは使用を中止し、医師に相談して下さい。など)
⑩ 効能・効果(歯周炎の予防。など)
⑪ 使用方法(適当量を歯ブラシにとり、歯及び歯茎をブラッシングする。など)
チューブなどに記載する表示事項は、ケースの表示事項から「原産国表示」と「全成分表示」が省略されてますね。
チューブなどの直接容器はケースと比べて、表示できる面積が小さいためです。
また、試供品と呼ばれるかなり小さなチューブに入ったものにつきましては、また表示事項は異なってきます。
医薬部外品の全成分表示の方法
それでは医薬部外品の歯磨き剤の成分の表示はどのようになっているの確認していきましょう。
❑ 各成分を配合目的ごとに区分し、その総量が多い順に並べる。
❑ 配合目的が同じものでも、配合量が多い順に並べる。
❑ キャリーオーバー成分(その効果が発揮されない少ない量しか入っていない成分)は省略することができる。
❑ 精製水(水)については表示することを要しない。
❑ 医薬部外品表示名称を使用する。
説明だけですと分かりずらいかもしれませんので、実例を見てみましょう。
例えばこの場合は、溶剤>湿潤剤>有効成分>可溶剤>矯味剤>pH調整剤>甘未剤>保存料>香味剤>清涼剤。
そして有効成分は、硝酸カリウム>ポリリン酸ナトリウム>グリチルリチン酸ジカリウムとなります。
化粧品の表示事項について
次に化粧品の表示事項についてです。医薬部外品とは表示事項、全成分表示も異なります。
ケースの表示事項
① 販売名
② 製造販売元(名称・住所)
③ 製造番号(ロット)
④ 全成分表示
⑤ 内容量
⑥ 「歯みがき」である旨の表示(「歯みがき」、「歯磨き」など)
⑦ リサイクル表示(♳など)
⑧ 原産国表示( Made in Japan )
⑨ 発売元
⑩ 注意事項(発疹などの異常が現れたときは使用を中止し、医師に相談して下さい。など)
⑪ 効能・効果(歯周炎の予防。など)
⑫ 使用方法(適当量を歯ブラシにとり、歯及び歯茎をブラッシングする。など)
医薬部外品と比較して、医薬部外品である旨の表示がなくなっていますね。
チューブなどの直接容器への表示事項
① 販売名
② 内容量
③ 製造販売元(名称・住所)
④ 製造番号(ロット)
⑤ 「歯みがき」である旨の表示(「歯みがき」、「歯磨き」など)
⑥ リサイクル表示(♳など)
⑦ 発売元
⑧ 注意事項(発疹などの異常が現れたときは使用を中止し、医師に相談して下さい。など)
⑨ 効能・効果(歯周炎の予防。など)
⑩ 使用方法(適当量を歯ブラシにとり、歯及び歯茎をブラッシングする。など)
こちらも医薬部外品の表示事項から、医薬部外品である旨の表示がなくなっているだけですね。
化粧品の全成分表示の方法
それでは化粧品の全成分表示についてみていきましょう。
❑ 製品における分量の多い順に並べる。
❑ 1%以下及び着色剤については互いに順不同となる。
❑ 混合原料については、混合されている成分ごとに分けて表示する。
❑ 化粧品表示名称を使用する。
上記の通り、化粧品は並べ方も違い、原料も成分ごとに分解して表示しなければなりません。
また、表示名称も化粧品専用のものを使用します。
例えば、先ほどの医薬部外品の表示であった「濃グリセリン」は化粧品では「グリセリン」と表示します。
化粧品歯磨きの成分の例も見てみましょう。
先ほどの医薬部外品であれば増粘剤は一まとまりでしたが、化粧品は各成分の量のため、このように分かれます。
みなさんいかがでしたか?
今回は歯磨き剤や洗口液といったオーラルケア製品の表示について書きました。
製品開発者であれば、成分表示とその製品の使用感で大体の配合量も分かったりします。