こんにちは!元オーラルケア製品開発者のしーか先生です!!
みなさんは歯磨き粉が粉状で缶に入っているのを見たことありますか?
現在でも、粉状で缶に入った歯磨き粉は販売しておりますが、製品数は圧倒的に少ないです。
なぜ、缶からチューブに移行していったのか。
この記事を見れば、昔の歯磨き粉市場から、その変化を知ることができます。
そもそも歯磨き粉が日本に普及したのは1625年で粉状でしたが、今のようなチューブに入った練り歯磨きは1911年にライオン㈱が発売いたしました。
チューブへ移行した理由
缶からチューブに移行した理由は、下記となります。
① 使い勝手が悪いため。
② 家族でも衛生的・嗜好的観点から、別の歯磨き粉を使用したいというニーズに合わせたため。
③ 製造コスト、スピードを改善するため。
使い勝手につきましては、缶よりチューブのほうが圧倒的に良いですよね?
家族でも歯磨き粉は一人一本という家庭が増えています。
それは味の好みやどういった特徴(美白向け、歯周病向け等)が良いか、家族でも異なるからですね。
また、缶はチューブよりも価格が高く、充填スピードも大きくことなるため、チューブのほうが良いですよね?
ただ、粉をチューブに充填しても使い勝手が悪いため、水分を増やし、粘度を持たせたペースト(練)状に移行していきました。
チューブの変化
チューブにつきましても、始めはアルミチューブがほとんどでした。
アルミチューブは押すと凹んでしまうのが特徴です。
現在は、ラミネートチューブと呼ばれる「ポリエチレンなどの合成樹脂や紙、アルミ箔を何層にも重ね、接着剤を用いて貼り合わせたもの」がほとんどです。
ラミネートチューブはアルミチューブよりも柔らかく、凹んだりしませんが、いくつか欠点があります。
① デラミネーションといって、最内層部分が剥がれることがある。
② アルミチューブより透過性があり、香料成分などが抜けたりしやすい。
歯磨き粉ってどんな剤型があるの?
歯磨き粉は粉からペースト(練状)に移行していきましたが、この2種以外にもいくつか種類があります。
① 粉
② 潤製
③ 練
④ ジェル
⑤ 液体
①~⑤に行くに連れて、成分の水の量が増えていきます。
③~⑤はいくつも製品がありますので、一つは見たことあるのではないですか?
今日は歯磨きの歴史のお話になりましたね。
歯ブラシを濡らして歯磨き粉を乗っけるかたもいると思いますが、あれは粉歯磨き時代の名残らしいです。
粉歯磨きは水をつけないと伸びが悪いので。
また、歯磨き粉の「粉」は昔粉状だったからですね。